お酒に混ぜられた睡眠薬を見極める方法
『デートレイプドラッグ』という言葉をご存知ですか?
食べ物やお酒に睡眠薬や抗不安剤などを混ぜて、女性を昏睡させて強姦するという卑劣極まりない行為が、ここ数年で急増しています。
フリージャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口容疑者から性的暴行を受けた事件もデートレイプドラッグが使用されたとされています。
他にも明治大学のテニスサークルが歌舞伎町で飲み会をした際、複数の女性部員が酩酊状態になった事件もありました。
お酒に混ぜられた睡眠薬を飲むとどうなる?
デートレイプドラッグが混入したお酒を飲むと、このような症状が現れます。
- 強烈な眠気に襲われる
- 記憶があいまいになったり、断片的になる
前後の記憶がなくなってしいまうことも。
- 起きていても、ひどい酩酊状態になる
デートレイプドラッグで使用される睡眠薬は市販のものよりも強力で、健康な方が服用した場合、一度寝ると叩かれても水をかけられても起きません。
寝る時も気絶するかのように、立つことはもちろん、座っていられないほどの激しい眠気に襲われます。
起きている時も記憶が断片的で、後から振り返っても覚えていないと言うケースがほとんどです。
お酒だけじゃない

デートレイプドラッグが混入されるのはお酒だけではありません
過去の事件を見ていくと、いろいろなものに混入されていることがわかります。
- サラダ
- お茶
- ヨーグルト
信じられないことに

仕事の取引先にお邪魔した時に出されたお茶に混入された

飲み会で女性の先輩から酔い止めとしてもらったヨーグルトに混入された
誰でも油断するような場所、人から被害を受けるケースもあるのです。
加害者の目的は強姦

デートレイプドラッグを飲ませる男性の目的は一つしかありません。
強姦するためです。
複数人での飲み会や合コンなどでは、複数人に強姦されてしまう可能性もあります。
デートレイプドラッグの被害にあうと、自分の意思とは関係なく強姦されたり、セックスのようすをビデオ撮影されてしまうかも。
最悪なことに途中で気がつけるケースは少なく、ほとんどが「何かされたかもしれない」程度の記憶しかないのです。
日本は性犯罪後進国
日本ではこうした強姦の犯罪が起きても、証拠不十分で不起訴になることがあります。
さらに強姦された被害者に対して、このような信じられないような言葉を浴びせられることもあります
- 誘惑したからじゃないのか
- そんな肌をだした服装をしているから襲われても仕方がない
- 被害者ヅラして示談金を巻き上げようとしているだけ
こうした被害者に対する誹謗中傷は『セカンドレイプ』と言って、失意のどん底にいる被害者の心を殺すようなものです。
まだまだ日本は性犯罪に関して理解が浅く、すべての女性が安心して当たり前のことができる社会であるとは言えないのです。
女性自身も性犯罪の現実を知り、明日は我が身と気を引き締めておかなければなりません。
レイプ被害は他人事ではありません。

https://sirabee.com/2018/07/25/20161724990/
10人に1人がレイプ被害に合いそうになっています。
自分の身を守るために性犯罪の対策法を習慣にしましょう。
海外では違法でも日本では入手は簡単
デートレイプドラッグとして使われる睡眠薬は「ロヒプノール」、「サイレース」など医師の処方箋がないと入手できないものです。
アメリカでは犯罪に使用されることが多いため、法律で禁止されています。
いま出回っているサイレースは医師が処方する睡眠薬の切り札的な薬で、ほかの睡眠薬でも効果が薄い時に使われるほど。
それよりもさらに強い効果のある「ラボナール」なども出回っている可能性があります。
日本では、2018年にロヒプノールは製造中止になりましたが、同じ製薬会社が同様の効能を持つサイレースを販売。
その後、サイレースのジェネリック医薬品として「フルニトラゼパム」が発売。SNSや掲示板などで違法に取引されています。
どうしてこんな危険な薬が野放しになっているか疑問に思われるかも知れませんが、不眠症で苦しむ方にとっては救いとなる薬であるだけに、完全に禁止しにくい事情もあります。
#お薬売ります
— 琥珀_。 (@lty_kd) August 31, 2019
ってフォロワーさんがやってて鳥肌立ったんだけど、普通に麻薬及び向精神薬取締法違反じゃない?犯罪だからね…いくら処方されなかったとしても絶対こんなの買わないでね、処方薬なんかだいたい1000円以下なのに、売られてるのは1000円以上だし、普通に可笑しいよ… pic.twitter.com/9VjBIcIzqF
医師の処方箋がないと入手できない睡眠薬はSNSや掲示板を通して転売され、調べれば誰でも簡単に入手できるようになっています。
もちろん処方薬の個人売買は違法行為ですが、取締りが難しく、無秩序に処方薬が売買されています。
青と紫のお酒にはご用心
睡眠薬は悪用を防ぐために、水に溶かすと青く変色するようになっています。
そのため、ブルーキュラソーを使った青色のカクテルや、バイオレットフィズやシソリキュールなどの紫色のカクテルには要注意。
「これ、すっごく美味しいから飲んでみなよ!」とすすめられたら、毒見してもらいましょう。
あるいは場を盛り下げてしまうことを恐れずに「自分の頼んだものを飲みたい」と毅然とした態度で断りましょう。
睡眠薬の着色は最近はじまったこと

青や紫のお酒を気を付けるのは基本です。
ところが、睡眠薬が犯罪防止のために着色されたのは、最近のことなんです。
つまり、無味無臭・無色透明のデートレイプドラッグは多く出回っていることを理解しておきましょう。
睡眠薬とお酒は相乗効果あり
睡眠薬には2つの効果に分けられます。
- 脳の機能を低下させる
- 眠気を強くする
デートレイプドラッグとして使用されるサイレースやフルニトラゼパムは「脳の機能を低下させる」方の睡眠薬です。
お酒とサイレースなどの睡眠薬はどちらも中枢神経の働きを鈍くさせます。お酒と一緒に飲むと薬の効果が効きやすくなり、ただでさえ強力な睡眠薬がさらに強力になってしまうのです。
睡眠薬入りのお酒を見極めるのは困難

この記事では「お酒に混ぜられた睡眠薬を見極める方法」と題して、デートレイプドラッグに関する正しい情報を女性の皆さんにお知らせする目的で執筆されています。
肝心の「お酒に混ぜられた睡眠薬を見極める方法」は残念ながらありません。
ドイツではデートレイプドラッグを判別するシートが仕込まれたリストバンドが開発されたそうですが、日本ではまだ本格的に流通していません。
ですが、デートレイプドラッグが混入した飲み物を避ける対策方法はあります。
お酒の席になると気が緩んでしまいがちですが、少なくともこれだけは押さえておきたいポイントを紹介しましょう。
対策1.信頼できる人以外とはお酒を飲まない
彼氏や旦那様、古くから付き合いのあり親しくしている男性など、心から信頼できる人以外とはお酒の席を遠慮しておくことが最大の対策法です。
会社の宴会でもデートレイプドラッグを使われたという報告もあるほどです。
ましてや、出会い系サイトやマッチングアプリ、ナンパで出会った男性とお酒を飲むなど危険すぎます。
不特定多数が集まるオフ会やサークルの飲み会や合コンなど、一部に面識のない人物が紛れているような飲み会にも要注意です。
対策2.席を外すときはお酒を飲みきってから
対策1だけでは新しい素敵な出会いの場とは縁遠い生活になってしまいますし、お酒の力を借りて仲良くなったり、円滑にコミュニケーションをとれたりします。
飲み会はとても楽しいものです。
飲み会に参加した時に絶対に守ってほしい鉄則があります。
それは「席を外すときはお酒を飲みきる」こと。
残した飲み物には口をつけないことが大切です。
男性から勧められた飲み物にも警戒してください。
男性が飲んだことを確認してからなら安全ですが、何かと理由をつけて飲むのを拒んだり、執拗にすすめてくる場合は要注意です。
対策3.友達と助け合い被害にあった時の行動を決めておく

友達と飲み会に参加するときは、自分だけが被害にあうとは限りません。
昏睡状態になったり、寝てしまった場合にお互いどうして欲しいかを伝え合いましょう。
- 家族や彼氏に迎えに来てもらう
- タクシーで送ってあげる
とにかく男性陣から引き離す行動を優先させましょう。
男性は色々な理由をつけて

家まで送るよ

空いてる部屋があるから泊めてあげる

次のカラオケで休ませてあげようよ
などなど。
こうした提案にはいっさい耳を貸してはいけません。
眠くなったら早めにお迎えを呼ぶ
頼れる友達や知り合いがいない場合は対応が難しくなります。
デートレイプドラッグはスイッチをオフにしたようにプツッと眠りに落ちてしまうからです。
少しでも頭がぼーっとする、なんだか眠くなってしまったと思ったら、目が覚めているうちにお迎えを呼んだり、タクシーですぐに帰りましょう。
「急用を思い出した」とすぐに店外へ出ましょう。
もしも被害にあってしまったら
悲しいことに被害にあわれた場合、色々なことを確認したり、信用できる人に相談したり、やることはたくさんあります。
途中から記憶を失っていたり、乱暴された形跡がなくても被害を疑うことも大切です。
襲われている最中に意識が戻ることもありますが、たいていは何事もなかったかのように寝かされていることが多いです。
あなたは何も悪くない
被害が受けた女性が、その時に何を思ったのか。
- 怖くなって何もできなくなった
- うかつだった自分を激しく憎んだ
- 何も考えられないし、誰にも知られたくない
特に自分を責めてしまう意見が多く聞かれます。
そんな被害者たちが、時間が経って今思うこととは。
- 早く警察に相談しておけばよかった
- あれだけ自分を責める必要はなかった
- 今でも悔しいけど、男に対する怒りで頭がおかしくなりそう
「うかつな行動だった」、「警戒心が足りなかった」と自分を責める必要はありません。すべては加害者が悪いのです。
あなたに落ち度は何もなく、服装や化粧や思わせぶりな態度のせいでもありません。
記憶がないので、「行為に同意してしまったのかも…」と考える方も多いようです。
同意した記憶がなければ、同意していないと考えましょう。
警察や専門窓口に相談

被害にあってしまったら、まず先にすべきことは警察や専門窓口に相談することです。
誰かに話すことも辛いですが、警察や専門窓口に話すことによってメンタル面のケアや、記憶がない場合でも本当に自分が被害にあったのかを確認することができます。
警察に相談する時に、「女性の方だけにお話ししたいことなんです」と伝えれば、女性警官の方が対応してくれるでしょう。
相談するタイミングは早ければ早いほど良いです。
実際にデートレイプドラッグの被害にあわれた方の多くが、早く誰かに相談すればよかったと口を揃えていいます。
被害にあって警察や専門窓口に相談することはメリットがたくさんあります。
どんなメリットがあるか紹介しましょう。
メンタルケアができる医院を紹介してもらえる
被害に遭うと平常心を保てず、正しい判断や行動を取れなくなります。
自分を責めたり、自暴自棄になったり、PTSDやトラウマで日常生活を取り戻せなくなる被害者もいます。
いつか立ち直り、平穏な日常生活を取り戻すためには、同様の被害の相談をたくさん受けているカウンセラーに話を聞いてもらうことが一番の方法です。
たくさんの被害者の話を聞いてきたカウンセラーだからこそ、心に寄り添って最善の方法を模索してくれます。
血液検査や尿検査はお早めに!

デートレイプドラッグは1~2日で体外へ排出されてしまい、それを過ぎると加害者を訴えたり、罰することがとても難しくなってしまいます。
”性犯罪裁判に詳しいアディーレ総合法律事務所の正木裕美弁護士は、客観的証拠もないうえに、事件発生時から数年という相当時間が経過しているのであれば、そもそも立証は困難。起訴に足る証拠が不十分とされる可能性が高いと思われます」
週刊女性PRIMEより
https://www.jprime.jp/articles/-/15497?page=5
被害を立証するには、直後に証拠を確保する必要がありますが、薬は早ければ1~2日で尿から体外に排出されてしまいます。去年の16件のうち多くは罪に問われることもなく、裁判で有罪になったのは2件のみでした。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181213/k10011745611000.html
NHK NEWS WEBより
心がある程度落ち着いてから警察に相談しても手遅れになってしまうケースがほとんどです。
強姦をされたのに無罪の判決を下すことがある日本の法律は不備だらけではありますが、動かぬ証拠があれば、その限りではありません。
心身ともに辛い状況ではありますが、被害に気がついたら、その足で警察に行くことを強くおすすめします。
証拠を失わないために注意したいポイントは次の通りです。
- そのままの服装で警察に行く
- トイレはできるだけ我慢する
- シャワーやお風呂には入らずに行く
他にも証拠になりそうな飲みかけのグラスや缶があれば袋に入れて持ち込みましょう。
デートレイプドラッグを検出できる検査キットはありません。必ず病院で検査してもらうようにしましょう。
その病院も警察が紹介してくれます。
毛髪鑑定なら時間が経っても大丈夫
尿鑑定や血液検査では1~2日の猶予しかありませんが、毛髪鑑定なら数ヶ月後でも睡眠薬を検出できます。
100本ほどの毛髪を、根元に近い部分から採取します。この髪の毛を1ミリ単位で細かく切り分けます。つぶして溶液に入れると、薬物の成分が残っている場合は図に成分の形が現れます。
NHK NEWS WEB
日本で病院が処方しているすべての種類の睡眠薬の成分を検出することができます。薬の成分は、尿から数日で排出されてしまいますが、髪の毛には長期間とどまるため、被害から数か月たっても検出できるのが強みです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181213/k10011745611000.html
妊娠や性病感染も疑って
デートレイプドラッグの被害にあい、恐ろしいことに妊娠してしまった、性病をうつされたという被害者もいます。
妊娠検査や性病感染の有無を確認するためにも、泌尿器科や産婦人科も受診しましょう。
お酒に混ぜられた睡眠薬を見極める方法のまとめ

デートレイプドラッグとはお酒と混ぜて飲ませることで深い睡眠や酩酊状態にしてしまう睡眠薬のことを指します。
最近では水に溶かすと青く変色するものが出てきましたが、少し前までは無味無臭・無色透明の錠剤でした。
お酒に混ぜられた睡眠薬を見極める方法はないと言って良いでしょう。
ですがデートレイプドラッグの被害にあわないための対策や工夫はあります。
- 青や紫のお酒は飲まない
- 自分で頼んだお酒以外は飲まない
- トイレに行くときはグラスを空にする
- 空にできなければトイレまで持っていくか、飲まない
- 友達と一緒の時は、もしもの時にどうするか決め事をする
こうした対策をするだけでも被害にあう可能性を少なくできます。
もし被害にあってしまった場合は、心身ともにボロボロの状態であっても警察に駆け込むべきです。心のケアや犯罪被害者としての証拠収集、妊娠や性病検査など、やるべきことをわかりやすく、親身に相談に乗ってもらえます。
日本は強姦に暴力的な言動が立証されなければ無罪になってしまうケースが多く、女性にとって大変不利な社会です。
被害にあって一生の心の傷を負ってしまう前に、最近被害が急増しているデートレイプドラッグについて、じっくり考えてみましょう。
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