子供に伝えたい!未成年の性犯罪の現状と対策

年頃のお子様を持つ親として、子供が性犯罪に巻き込まれないか不安でしょう。

ネットやナンパでの出会いによる強制わいせつ。電車通学でのチカン。

お子様が加害者になってしまうケースもあります。

子供が性犯罪の加害者にも被害者にもならず、将来に大きな影を落とさないよう、高校生年代の性事情を踏まえ、親が子供へ性犯罪に関する教育をするための方法を紹介します。

未成年の性犯罪事情と対策

私たち親が高校生だった頃、まだスマホはなかったはず。

今の高校生は当時よりも、異性との出会いが簡単で様々な危険に晒されています。

イマドキの若者の性事情はどうなっているのか見ていきましょう。

中学生以下のお子様の性犯罪対策はコチラが大変参考になります。

未成年の性犯罪被害のイマ

性犯罪被害の多くが10代であることが様々なアンケート調査で明らかになっています。

特に高校生は性犯罪にあいやすい時期です。

チカン被害がもっとも多いのは10代女性

MeTooJapanによるハラスメント実態調査 2019年

5人に1人以上が電車内でのチカンを経験しています。

制服のスカート丈を長くしてもチカン被害は防げな
MeTooJapanによるハラスメント実態調査 2019年

高校時代、生徒指導の男性教諭から「だらしない服装や短いスカートの生徒は痴漢に遭うぞ」と指導されていましたが、実際は校則を破るような派手な子ではなく地味で自分に自信のない大人しそうな少女達が狙われることくらい、女子生徒なら誰でも知っていました。今思い返すと男性教諭の発言はとんでもないセクハラだし、正犯罪被害者の気持ちを侮辱する酷い行為だと思います。

・高校生の頃、通学電車で毎日痴漢に遭っていました。父に相談したら、そういう気晴らしもないとな。といわれました。以来、誰にも言わなかった。男はみんな信じられないと思い込んでいました

https://wotopi.jp/archives/28516

女子高生のスカートが短いほどチカンにあいやすいわけではないようです。

MeTooJapanによるハラスメント実態調査 2019年

またブレザーとセーラー服では、どちらも同じくらいチカン被害にあいます。私服の場合は制服に比べてチカン被害は約半分になります。

通勤・通学時間が長いほど、過去一年にチカン被害を経験した人が多くなります。

満員電車でも、空いている電車でも、JRでも私鉄でもあります。次が自分の子供の番かと思うと耐えられない

全部「ちかん」で軽く済ませすぎ。親の立場になって、自分の子供が強姦や精液つけられたとか言われたら犯人殺すって思う。仕方ない、なんて絶対言わない

https://wotopi.jp/archives/28516

男性の10人に1人はチカンしたことがある

電車内で意図的に痴漢をしたことがある人の割合
アンケートサイト「Qzoo」より

男性のおよそ10人に1人は意図的にチカンしたことがあると回答。

これが多いのか少ないのか人によって感じ方が別れそうです。

10代女性のチカン被害が多く、チカン対策とチカンをされた時の正しい対応はぜひ伝えておきたいですね。

チカン対策はこちらの記事がおすすめです。

性的暴行は身近にあることを裏付けるデータ

「同意していないのに無理に性的行為をされた、そうした行為をほのめかされ、嫌だと感じたというような話を周りで聞いたことがある?」アンケート結果

10代の5人に1人が「本人」または「交友関係の範囲」で性的嫌がらせをうけた(話を聞いた)と回答。

もっとも高いのが20代ですが、大学進学や就職で親元を離れた生活や、お酒の席に参加できるようになったことが関係しているのではないかと推察されます。

未成年は親に相談しない

「無理やり性的行為をされたり、そうした行為をほのめかされたりした人が周りにいた場合、どんな立場の人に相談することを勧める?」アンケート結果

性犯罪の被害にあうと10~20代の多くは「同性の友達」に相談することが多いようです。

10代の同性の友達では、正しい判断や行動がまだまだできません。

親としては、最初に相談して欲しいですよね。

我が子とは普段からなんでも言い合える仲でないと、いざと言う時に守ってあげられないかもしれません。

親も子供も相談窓口を知らない

「全都道府県に「性暴力被害ワンストップ支援センター」などの支援期間があることを知っている?」アンケート結果

注目したいのが10代と、その親の世代である30〜50代。

全体的に認知度が少ないものの、10代の方が「性暴力被害ワンストップ支援センター」を知っていて、30〜50代の親世代の方が知らないという状態。

これでは子供が性被害にあった場合、適切な支援ができないかもしれません。

お住まいの都道府県にある「性暴力被害ワンストップ支援センター」について一度調べておきましょう。

SNSがきっかけの性犯罪が増加中

未成年のスマホ普及率に比例して、SNSがきっかけで児童ポルノや買春の被害が増え続けています。

その被害の半数以上は高校生です。

未成年の性犯罪事情
出典:「STOP!ネット犯罪」警察庁 リーフレット
「ネットには危険もいっぱい~他人事だと思ってない?~」2018年版 警察庁/文部科学省 リーフレット

未成年が加害者となるケース

学校教育では未成年の「お酒」、「タバコ」はダメ。

「覚醒剤、ダメ絶対」と教えていますが、「性犯罪、ダメ絶対」とは教えていません。

学校での性教育は避妊や性病(主にエイズ)、子供ができる仕組みが中心です。

子供を性犯罪の加害者にしないための教育が不足しているように感じます。

学校がしてくれないとなると、それを担うのは親しかいません。

子供が性犯罪の加害者になってしまうケースは次の通り。

今カレ

彼女にエッチを断られた。彼女だから良いと思って無理やりエッチした。

元カレ

彼女と別れた。よりを戻したくてエッチな画像をバラまくと脅した。

多いのが交際相手とのトラブル。
彼女だからエッチは自動的に同意していると勘違いしているかもしれません。

リベンジポルノも犯罪行為という認識が薄く、性犯罪に手を染めてしまうケースもあります。

エッチな動画や画像を相手に渡さないのが鉄則ですが、こうしたやりとりで根負けしてしまうことが多いようです。

彼氏

OOのこと好きだからエッチな画像送って♡

彼女

え…恥ずかしいし嫌だよ。
もし誰かに見られたら嫌じゃん。

彼氏

は?
俺のことが好きならできるよね?

彼女

好きだけど、そういうの怖いよ

彼氏

俺のこと信じてくれないんだ。
分かったよ、別れよ。

彼女

分かったよ。
送るからそんなこと言わないで…

だいたい、「俺のこと好きならできるよね?」というゴリ押しが多いです。

そんなこと言うヤツはOOのこと大切に思ってないよ!
絶対幸せになれないから別れちゃいなさい!

こうは言っても、なかなか親の意見は子供に届きません。

他にも未成年が性犯罪の加害者になるケースとして

イジメっ子

イジメてる女の服を脱がせて動画を撮った。嫌がるようすが楽しかった。

ロリコン

幼い女の子が好きで体を触ったり、自分の性器を触らせた。興奮した。

子供が性犯罪の加害者になってしまう一番の原因は「無知」であることです。

誤った行動を起こす前に、「それはものすごく悪い事」と早いうちから教えておく必要があります。

こうすれば伝わる!子供に性犯罪の強さを伝える方法

10代後半といえば反抗期の真っ最中!

親である自分も10代だったころ、親に反抗していた時期もあったはず。

親の忠告を真摯に受け入れることができたでしょうか。

親がどれだけ正しいことを言っていても、10代の子供にとっては「ウザい」「メンドい」「口うるさい」と最初から拒否反応を示されてしまうこともあるでしょう。

そんな時は直接ではなく、遠回しに伝えると効果的です。

友達経由で伝える

親からはダメでも、友人からの忠告なら聞いてもらいやすくなります。

子供の友人と連絡がとれるようでしたら、それとなく伝えてもらうようお願いしてみると良いでしょう。

LINEなどで読みやすく簡潔に伝える

SNSやLINEなどのメッセンジャーアプリに「ごく稀に」性犯罪についてのメッセージを送ってみましょう。

頻繁にメッセージを送ると、めんどくさくて読んでくれなくなります。

「たまーに送られてくる」くらいの頻度でメッセージを送れば暇な時に読んでくれるでしょう。

長文や難解な文章では読んでくれなくなるので、短い文章で伝えることがポイントです。

動画チャンネルのURLを貼ったりするのも良いでしょう。

こちらの動画やサイトを参考にしてください。

「紅茶飲む?」をセックスの同意に例えた有名な動画です

こちらの政府広報のサイトがとてもわかりやすく、読みやすく未成年の性犯罪についてまとめられていますので、ぜひお子様とシェアしてください。

メッセージを送ったものの、ちゃんと読んでくれていないかもしれません。

読んだ内容の感想を返信してくれたら

「OO免除!」
「今日の夜ご飯はOO!」

対価を用意してもいいかもしれません。

教育に対価を用意することは、あまり好ましくないです。

学業ではなく人生を通して絶対に知っておかなければならないことですし、もっとも被害にあいやすい年代なだけに、少々強引な手段でも致し方ないのではないでしょうか。

自身や身近な人の怖い経験談を話す

親自身の性暴力や性犯罪に関する体験や、親戚、友人の体験談を「こんなことがあったんだって、それでこうなったんだって」と語りかけてみましょう。

「こうしなさい!こういうものだからね!」と指示・命令するよりも、若者の心にスッと入り込んでいくでしょう。

被害に合わせないための家庭ルール

性犯罪について子供に伝える以外にも、性犯罪を防ぐ家庭ルールも重要です。

特にスマホやSNSをきっかけにした性犯罪被害が多い中高生には利用ルールをもうけるなどして、親が子供の性犯罪被害を予防しなければなりません。

スマートフォンの利用率

小学生 17.1%
中学生 41.9%
高校生 90.7%
(平成26年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」内閣府)
※調査対象:満10歳から満17歳

※スマートフォンには、格安スマホ・子供向けスマホ、SIMなしスマホを含む。

スマホだけではなくTVやゲーム機でもウェブサイトにアクセスできます。

ゲーム機のペアレンタルコントロールも設定しましょう。

スマホのフィルタリングは必須

スマホ利用のルールをしっかり決めて、守らせることで性犯罪被害を大きく減らせます。

台湾では2015年、子供のスマホ利用時間を制限しない親を取り締まる法改正が可決されました。長時間、子供にスマホやタブレット、パソコンを使わせている親に大して約4万円の罰金が課されるそうです。

日本でも青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年法律第79号)があり、携帯電話サービスの通信事業者は子供が有害なサイトを閲覧できなくするフィルタリングサービスを提供する義務があります。

ただし、保護者にフィルタリングの利用義務はありません。

フィルタリング機能は不用意に子供に有害なサイトを閲覧させなくする有効な手段ですので、子供にスマホを持たせる場合は絶対に設定しておきたいサービスです。

○NTTドコモ●「フィルタリングサービス」
http://www.nttdocomo.co.jp/service/filtering/
○KDDI●「お子さまのスマホ&ケータイに auの安心・安全サービス」
http://www.au.kddi.com/pr/safety/
○ソフトバンク●「子どもを守る安心のサービス」
http://www.softbank.jp/corp/csr/internet/instance_01/
○ワイモバイル●「フィルタリングサービス」
http://www.ymobile.jp/service/filtering/

スマホ利用のルール

・スマートフォン等を持たせる前にルールをつくる
・家族でよく話し合って内容を決め、子供の成長に応じて見直す
・紙などにルールを書いて、家族で見えるところに貼り、忘れないようにする
・時間を決め、目的を持って使う
・人が嫌がることはしない
・家族に言えないような使い方はしない
・アプリのダウンロードは、保護者に確認してもらってから行う
・インターネット上で知り合った人とは「会わない」「画像を送らない」「住所や名前を教えない」
・困ったらすぐ保護者や学校の先生、警察に相談する
・ルールを守らなかったときのペナルティを決めておく

https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/kodomo/net_rule.html

スマホのルールについては文部科学省の啓発ページが良くまとめられていて、大変参考になります。

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/06/07/1371802_2.pdf

位置情報の共有

スマホのGPS機能を利用して、子供が「今」「どこに」いて、「どう移動した」のかがわかるアプリやサービスを利用しましょう。

子供の居場所や行動を見守ることで、子供に危険を知らせることができたり、子供も「監視されている」という抑止力が働き、危険な場所に行かなくなります。

子供の利用状況や年齢に合わせてルールを見直す

SNSの利用状況を報告させるなどして、子供が迂闊な行動やスマホの使い方をしないように目を光らせましょう。

これって監視じゃん!
キモいんだけど!ヤメテ!

こんなことを言われるかもしれませんが

監視じゃないよ。
見守りだよ。
親は絶対しなきゃいけないの。

抜き打ちでSNSの投稿やLINEのメッセージのやりとりを見るなどのルールで、子供のスマホ利用をしっかりチェックしましょう。

未成年の性犯罪事情と子供への伝え方 まとめ

こちらで紹介した通り、性犯罪は10代が一番キケン!!ということがお分かり頂けたと思います。

10代は性犯罪に対する知識が浅く、自分の行動がどんな結果を招くのかについてまだよく分かっていません。

親がしっかり子供と話し合って生活のルールを作り、子供が性犯罪の被害者にも加害者にもならないように、上手に子供へ性犯罪対策や実情、加害者になった場合の末路について伝えましょう。